魚類の歌
鯛
116
小鯛ひく網のかけ縄よりめぐりうきしわざあるしほさきの浦
116
霞しく波の初花をりかけてさくら鯛つる沖のあま舟
鰹
127
いらご崎にかつをつり舟ならび浮きてはかちの浪にうかびてぞよる
すずき
199
秋風にすずきつり船はしるめりうのひとはしの名殘したひて
あみ 「あみざこ のこと。小エビに似る」
115
たて初むるあみとる浦の初さをはつみの中にもすぐれたるかな
「アミ目の甲殻類の総称。体長1.5センチ以下のものが多い。海水から
汽水・淡水に生息。浮遊生活をし、群集性がある。塩辛・佃煮のほか
釣りのまき餌にする。世界各地に分布する。
(日本語大辞典から抜粋)
以上のアミ目の「アミ」と違って、サクラエビ科の「アキアミ」があります。
西行のいう「あみ」はアキアミの可能性もあります。ともに瀬戸内海でも
捕獲されます。
いささめ 「小魚。シロウオの別称か」
249
いまゆらも小網にかかれるいささめのいさ又しらず戀ざめのよや
はらか 「鱒の古語とも にべ ともいう」
118
はらか釣るおほわたさきのうけ縄に心かけつつ過ぎむとぞ思ふ
鰐 「わにざめのこと」
118
磯菜つみて波かけられて過ぎにける鰐の住みける大磯の根を
鯉
198
宇治川の早瀬おちまふれふ船のかづきにちかふこひのむらまけ
小ばえ
198
こばへつどふ沼の入江の藻のしたは人つけおかぬふしにぞありける
鮒
198
たねつくるつぼ井の水のひく末にえぶなあつまる落合のはた
鮎
198
しらなはにこあゆひかれて下る瀬にもちまうけたるこめのしき網
いろくづ
199
見るもうきは鵜縄ににぐるいろくづをのがらかさでもしたむもち網
213
水ひたる池にうるほふしたたりを命に頼むいろくづやたれ
231
いろくづも網のひとめにかかりてぞ罪もなぎさへみちびかるべき
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以上
■入力 2002年02月08日
■ 入力者 阿部和雄
■ 校正 未校正
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