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          山家集の研究   植物の歌  

    柳の歌

  「 柳 」

 1  23  山がつの片岡かけてしむる庵のさかひにたてる玉のを


 2  23  見渡せばさほの川原にくりかけて風によらるる
青柳の糸

 3  23  なかなかに風のおすにぞ亂れける雨にぬれたる
青柳のいと

 4  23  水底にふかきみどりの色見えて風に浪よる
河やなぎかな

 5  33  風ふくと枝をはなれておつまじく花とぢつけよ
青柳の糸

 6  39  吹みだる風になびくと見しほどに花ぞ結べる
青柳の糸

 7  54  道の邊の清水ながるる
陰しばしとてこそ立ちとまりつれ

 8  54  なみたてる河原
の青みどり涼しくわたる岸の夕風

 9  54  
はら河風ふかぬかげならばあつくやせみの聲にならまし

10 100  緑なる松にかさなる白雪は
のきぬを山におほえる

11 167  聲せずと色こくなると思はまし
の芽はむひわのむら鳥

12 236  里にくむふるかはかみのかげになりて
のえだも水むすびけり