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            山家集の研究

    植物の歌 


   橘・たちばな

 1  43  わが宿に
花たちばなをうゑてこそ山時鳥待つべかりけれ

 2  45  ほととぎす
花橘はにほふとも身をうの花の垣根忘るな 

 3  46  うき身知りて我とは待たじ時鳥
にほふとなりたのみて

 4  46  ほととぎす
花橘になりにけり梅にかおりし鶯のこゑ

 5 144  かさねてはこからまほしきうつり香を
花橘に今朝たぐへつつ

 6 188  世のうきを昔がたりになしはてて
花橘におもひ出でばや

 7 194  軒ちかき
花たちばなに袖しめて昔を忍ぶ涙つつまむ

 8 237  あやめふく軒ににほへる
にほととぎす鳴くさみだれの空

 9 242  ふかみどり人にしられぬあしひきの
山たちばなにしげるわが恋

10 250  卯の花を垣根に植ゑて
たちばなの花まつものを山ほととぎす

11 259  
たちばなのさかり知らなむ時鳥ちりなむのちに聲かはるとも

12 260  よそに聞くはおぼつかなきにほととぎすわが軒にさく
に鳴け

13 263  
たちばなのにほふ梢にさみだれて山時鳥こゑかをるなり
 
13 263  あやめ葺く軒ににほえる
たちばなに来て聲ぐせよ山ほととぎす