植物の歌
「菊・きく」
1 85 こよひはと所えがほにすむ月の光もてなす菊の白露
2 86 いく秋に我があひぬらむ長月のここぬかにつむ八重の白菊
3 86 秋ふかみならぶ花なき菊なれば所を霜のおけとこそ思へ
4 86 ませなくば何をしるしに思はまし月もまがよふ白菊の花
5 87 君が住むやどのつぼには菊ぞかざる仙の宮といふべかるらむ
6 87 汲みてなど心かよはばとはざらむ出でたるものを菊の下水
7 87 谷ふかく住むかと思ひてとはぬ間に恨をむすぶ菊の下水
8 246 九品にかざるすがたを見るのみか妙なる法をきくのしら露