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            も み の 木 歌 集   
                      2 0 0 6 年 度 
                       第 二 部


    2005年(3)  2006年(1)


51  6/27
   梔子の咲いてる道は静かだと
            ひと笑いして講義始まる


姫路文学館の庭には、梔子の花が咲いていました。

52

   霞み立つ山また山あり
           古より石見の山は靡
(なび)くはずなき

石見の国(島根県)へ行ってきました。
柿本人麻呂が石見を詠んだ歌の中で、最後に、「靡け この山」というフレーズが
ありますが、石見の国へは、中国山脈の山また山を越えていきます。

53

   神名樋野にブランコ揺れば夏の日の
           長き時ゆく幼と我の


神名樋野(かんなびぬ 茶臼山)
出雲の『風土記』には「神の隠(こも)る野山」という意味でこの名がついています。

54

   初物を口に入れれば間を置かず
           上手上手と囃せば食む子


初めて口にするものを、なかなか食べてはくれません。
目の前で美味しそうに食べているのを見せたり、少し食べると大げさに褒めてみたり。
今回は、境港の市場まで、鮮魚、野菜などを買出しに行ってきました。
青梅は豊作とのことで、1kgが190円、大きな鳥取のスイカも買ってきました。
回転寿司は、ご飯が美味しく、ネタはもちろん新鮮でした。

55

   また一つ美味しいものを教えたり
            食べず嫌いで口開けぬ子に


56  8/06

   五月雨に滔々流るる槇尾川
            その源泉に登りし日あり


槇尾山には、行基も空海も修行をしたと言われる施福寺があります。
一度、お山を登ってお参りをしたことがありますが、思ったより大変な登山でした。
五月雨とは、陰暦五月頃に降る長雨のこと。梅雨。

57

   稲田
(とうでん)は水を湛えて寛ぎぬ
            青き露草傍らに咲き 

58

   雨の降る穂高神社は水の中
            明神池と連なりてあり


まだ梅雨の明けない7月の中旬、上高地5時間ハイキング(大正池から明神橋まで)へ
行ってきました。3000m級の奥穂高の峰は残念ながら見えませんでした。

59

   霧晴れて畳平の花畑に
            目覚めたばかりの黒百合が咲く


畳平は2700mにあるお花畑です。あれが黒百合なの?と思うぐらいの小さな花でした。

60

   土砂降りの雨に濡れつつ青年は
            黙して登る穂高へ行くらし
 

梓川沿いに大きなリュックサックを背負った青年たちに出会いました。
黙々と川沿いに上って行きました。

61

   何鳥の声かと思へば蜩
(ひぐらし)
            声と聞くなり奥飛騨の夕

もう、蜩の声が聞こえていました。

62

   行く手には岩壁のビル聳え建ち
            真夏の谷間を急ぎ行く人

7月末には、放送大学の単位認定試験がありました。

63

   露店にてこの日のために売られたる
            水蜜求む母のbirthday

64

   救急の講師勤める救急士は
            厳しき世を見た優しき目なり


先日、三日間、応急手当普及員の講習を受けてきました。
心肺蘇生法、AEDの使い方、異物除去などを重点的に学んできました。
普及員とは、バイスタンダー(そばにいる人が行う手当)をたくさん育てる人。
まずは、自分自身がよいバイスタンダーになれるように努力したいと思いました。


65  9/01

   路地裏に白き首の香匂ひ立ち
            涼やかに咲く朝顔の花       
   
 
66

   あきつしまに陽炎のごとく蜻蛉飛ぶ
            御霊帰る日参拝さるる


67

   五条坂は容赦なき坂 夏の陽は
            杖持つ老婆と少年を射る


8月16日は、京都西本願寺へお参りに行きました。電車を降りてから五条の
坂を登っていくのが大変でした。
錦市場の八百屋の二階で昼食をいただき、イノダのコーヒーを飲み、
夜は、五山の送り火を見ることができました。

68

   寝姿がお地蔵様のような児が
           明日より我らの園に来るなり


保育所では、生後8週間後(生後57日目)の産休あけの赤ちゃんから預かっています。
首もまだすわらないBCGも未接種の小さな赤ちゃんです。
感染症の予防やSIDSについても注意が必要です。

69

   朝の空 行く夏感じ見上げれば
           電線の間に鱗雲あり

70

   快く役割受くる友に負け
           主催者側だと気持ちを変える


間もなく大阪で保育所保健関係の研修があり、全国からたくさんの
人が集まってきます。
私も準備委員なのですが、先日の打ち合わせ会では、私の友人達は、
受付や会計、当日の保育室の責任者等の役割を、快く引き受けられました。
もちろん、研修はほとんど聴講できません。心が広くて、偉いなあと
思いました。初めは、不足に思っていた私も、今回は主催者側の
気持ちになりきろうと決心し、依頼された役割を快諾しました。

71

   一風も二風三風も夏行きぬ
           バス待つ駅の朝のベンチは


今朝は、風もあり25℃の気温でした。

72  9/13

   車中よりビルの間に出る十六夜
(いざよい)
            月を追うなり長月の月


先日、東京で甥の結婚式がありました。
帰りの新幹線の窓から、大きな十六夜の月が見えました。

73

   いつの間にか釣瓶落としの秋来たり
            電車の窓の暗きに気づきて


鰯雲ひろがりひろがり創痛む  石田波郷

現在、通勤途上にあるお寺の掲示板に書かれている句です。
昨日、この春に、体をこわして退職した友人に会いました。
この秋から、府立大学の講師になるそうです。
閉ざされても、また、道は開かれるね。と喜び合いました。

74

   園庭のナンキンハゼよ 
           剪定に臨みて初めて君の名を知る


保育所の子どもが、ナンキンハゼの木の毛虫に刺されました。
早速皆で協力して、木の枝を剪定しました。

75

   君は今 多分幸せ あと数分 
          浮世遁れた 転寝
(うたたね)のとき

76  10/08

   通勤の車中で思ふ今頃は
           高円山
(たかまどやま)の萩は咲くらむ

萩の花はもう散ってしまっているかもしれませんが、明日は、奈良の高円山の
向こうにある田原の里へ行く予定です。志貴皇子の御陵があります。
田原の里博物館という名前がついている地図がありました。里全体が、
博物館ということなのでしょう。

77

   萩の花 紅は紅の香 白は白 
           気づくこともあり真萩野の道    
       

9月の末に、岸和田にあるトンボ池公園へ萩の花を求めて行ってきました。
見つかるかどうかはわからなかったのですが、紅白の萩の群集を見つけました。

78

   秋風に鉦の音
(ね)響く街角を
            曲がれば又もだんじりに遇う              

この7,8日は、お祭り日和です。
堺では、百舌鳥や浜寺石津神社のふとん太鼓、鳳のお祭り、和泉市や
岸和田市のお祭りでもあります。だんじりの鉦や笛の音が早朝6時から
響いています。

79

   秋の野辺 コスモスも佳し 
            紅色の彼岸花も好し 紫式部も 


 PCの壁紙は、今紫式部です。
 百舌鳥啼いて身の捨てどころなし  山頭火
 通勤途上のお寺の掲示板に書かれている句です。
  


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         以上、  2006年10月08日まで

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