京都写真集 マガジン01号
西京区 1 勝持寺 大原野神社
西京区 2 松尾大社 西光院
西京区 3 法輪寺 嵐山
法輪寺
◎ いつか又めぐり逢ふべき 法の輪 の 嵐の山 を君しいでなば 268ページ
(秋の末に法輪寺にこもりてよめる)
◎ 大井河 ゐせぎによどむ水の色に秋ふかくなるほどぞ知らるる 89ページ
(いまだ世遁れざりけるそのかみ、西住具して法輪にまゐりたり
けるに、空仁法師經おぼゆとて庵室にこもりたりけるに、もの
がたり申して歸りけるに、舟のわたりのところへ、空仁まで
來て名残惜しみけるに、筏のくだりけるをみて)
歌 「はやくいかだはここに來にけり」 「空仁」
(薄らかなる柿の衣着て、かく申して立ちたりける。優に覺えけり)
歌 「大井川かみに井堰やなかりつる」 「西行」
歌 「むすびこめたる文とこそ見れ」 「空仁」
(このかへりごと、法輪へまゐりける人に付けてさし置かせける)
歌 「さとくよむことをば人に聞かれじと」 「西行」
法輪寺本堂 2001.12.02に撮影
現在のお寺の規模は江戸時代と変わらないものですが、西行の時代は
広かったものでしょう。「枕草子」の 寺は の段に「壷坂・笠置・法輪」と
して並び称されていますし、梁塵秘抄の今様歌にも詠われています。
応仁の乱で堂宇の殆どが焼失したそうです。
法輪寺 参道
参道の石段です。紅葉にはすこし遅い撮影でした。
法輪寺の舞台から 2001.04.05撮影
舞台から嵯峨方面に向かっての撮影です。
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嵐山
狭義でいうなら「嵐山」とは大堰川右岸をいいます。左岸は嵯峨です。
◎ 大井川 ゐせぎによどむ水の色に秋ふかくなるほぞぞ知らるる 89ページ
◎ つつめども人しる戀や 大井川 ゐせぎのひまをくぐる白波 158ページ
◎ 大井川 君が名残のしたはれて井堰の波のそでにかかれる 268ページ
桂川 (大井川) 2001.04.15撮影
渡月橋から下流です。
大井川 2001.04.05撮影
奥の方は千鳥が淵といいます。左の山は嵐山です。白いのは
山桜ですが、近年は桜も少なくなった感じです。
渡月橋
渡月橋は亀山天皇の命名によります。それまでは「法輪寺橋」と呼ばれていたそう
です。
今の橋は昭和9年にできました。長さ155.5メートル。幅11メートル。昭和五十年に
ヒノキ製の欄干になりました。
橋の西詰、画面中央、左端近くにある建物は、法輪寺の多宝塔です。
戸無瀬の滝
戸無瀬の滝は西行時代は有名で、滝名を詠みこんだ歌も多くあります。
現在は水量が乏しくて、言葉は悪いですが、
まるで雀の小便です。時代の変転を思います。
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