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西行辞典「後記」特集
01〜10 11〜20 21〜30 31〜40 41〜50 51〜60 61〜70 71〜80
31号 2007年01月18日発行
本年一月もまもなく下旬に指しかかろうとする頃になって、やっと
今年初めての発行です。正月気分抜けやらず、サボっていたことは
事実なのですが、風邪引きなどの事情も重なって、今になってしまい
ました。ご賢察をお願いいたします。
とともに、本年もよろしくお願いいたします。
今号は計らずも伊勢特集になりました。
「伊勢」という固有名詞のある詞書とその初めの歌、及び「伊勢」
の名詞のある歌のみを取り上げました。伊勢で詠んだ歌はこの他
にも多数あります。すべてを取り上げることは到底できませんから
伊勢での他の歌は割愛しています。
明日の19日は旧暦の12月1日。明後日の20日は24節季の大寒。
今年は雪がとても少なくてスキー場などは困っているとのこと。
甲斐の白根三山にも雪が無いとのことです。「異常だ。怖いこと。」
と、甲府に住む方が言っていました。
ともあれ時間は進んで行きます。
私は私の思うままにこの一年も精一杯やっていきたいと思います。
よろしくお願いいたします。
皆さんにとっても充実した一年となりますように願いあげます。
32号 2007年01月22日発行
本年の旧暦正月は2月18日。まだまだ間があります。
ちなみに西行忌の旧暦2月16日は4月3日。なんと望月に当たります。
ねがわくは花の下にて春死なんその如月の望月の頃
(岩波文庫山家集31P春歌)
という歌にぴったりですね。
桜も程よい加減に咲いているはずですが、火曜日となれば昼間から
花見というわけにも行かないのが残念なところです。
今年も2月11日の祝日に城南宮に行って、七草かゆを食そうと思い
ます。城南宮では七草粥の日を2月11日に固定しているのです。
2月11日当日、まだ新年にもなっていないのに七草かゆでもない
のですが、まあいいでしょう。
七草粥の行事は古く中国より伝えられたものといいます。正月はじ
めの子の日に(今年は2月23日)、内膳司がその年の七種の新菜を
摘んで奉ったといいます。無病息災、不老長寿を願ってのものです。
「芹なづな御行はこべら仏の座すずなすずしろこれぞ七草」
とは言われますが、この七草は植物によほど詳しい人でないと分かり
にくいでしょう。以下の七草を言います。
1 芹(セリ) せり科
2 なずな(ナズナ) あぶらな科。ペンペン草のこと。
3 御行(ハハコグサ)きく科
4 はこべら(ハコベ)なでしこ科
5 仏の座(タビラコ)きく科
6 すずな(カブラ) あぶらな科
7 すずしろ(秋大根)あぶらな科
城南宮の七草粥は上記の植物の細切れに加えて1センチ四方ほどの
餅が一個入っています。
(春ごとに野邊の小松を引く人はいくらの千代をふべきなるらむ)
(岩波文庫山家集16P春歌)
子の日にはまた「五葉の松」を引き抜く習慣がありました。
こういう風習も廃れてしまいましたが、それもまあ時代のなせる
ことに違いありません。時代の要請という必然があったものだと
思います。
33号 2007年02月02日発行
マガジンの発行は私が自身に課している責務ですから、常に頭の中
にはあるのですが、この号の発行は予定より少し遅れてしまいまし
た。月日はすでに二月に入っています。
ここに私個人のことをそんなに書くことはしないのですが、この
一ヶ月のうちに意気消沈させることが続いていてマガジンどころの
ことではなく、かつ、年末から持ち越している風邪のために体調も
良くはなくて、ともかく休息が必要ということでもあったのです。
体調はなんとか戻りつつありますので、継続して発行できるように
頑張りたいと思います。
父は大正12年生。母は昭和3年生。二人ともにいい年です。
父は意識は大丈夫なのですが母は最近とみにひどいことになって
いて周囲を困らせています。ために私の意識も時間もそちらに多く
をさいているのが現実です。親とはいえ人の老いの問題に直面する
のは解決の糸口さえ見出せない場合が多くて、難しいことですね。
34号の発行は「西行の京師」20号を発行してからとなります。
本日が今冬一番の寒さ、ご自愛を念じあげます。
34号 2007年03月13日発行
今年になってから顕著になったと自覚するのですが、惨状といえる
ほどにエネルギーがなくなったなーと思います。これはとても
困ったことです。ためにマガジンの発行も遅滞気味。何をするにも
意のままにならず、マイペースとは聞こえはいいけど結局はズルを
決め込んでいることと同義。非常に残念ですが、これが年を重ねる
ということなのでしょう。
啓蟄も過ぎ去り、三月の半ばになっての冬型の気候。雪が散らつい
たりもしています。ここに来て寒くなりました。でも、この冬に
苦しめられた手指足指の感覚麻痺やその他の症状はほぼ緩和され
ましたし、日々を閲するうちに私の体調も戻りつつあることが実感
されます。これはとても嬉しい誤算です。
時々、カメラを持って散歩します。散歩はいいですね。適度な速度
で歩きながらあたりの景物に触れて、新しい季節の息吹がそこここ
にあふれていることを感じとります。知らない花が咲いているのを
見たりしての、思いがけない発見があったりもします。
人に語るほどでもない、文章にするほどのことでもない凡々とした
事毎に違いは無いのですが、そういう小さなことでも刺激を受け続け
ながら過ごせるのは、うれしいことに違いありません。
程なくしていっせいに桜が開花します。「かしらに雪を積もらせて」
という年代に私もなりましたが、だからでしょうか、開花直前に
なっての、浮き立つような高揚感を覚えています。
35号 2007年03月24日発行
ポカポカ陽気の日々が続いていて、このまま春の到来を思わせまし
たが、あにはからんや、なんと三月になっての雪を見る始末。
山ばかりではなくて里の天気であっても、突然に変わることもある
らしくて、青空が広がっているのに雪が舞ってきたのには驚きま
した。豹変と言うのとも違うなーと、的確な言葉を思い出せない
ままに青空から落ちてくる雪をじっと見ていました。
(正確には空全体が青空ではありませんでした。)
ちなみに昔は三月の雪は珍しいものではなかったと思います。
二月が逃げるとともに私の体調も上向いていることを自覚します。
これから次の冬までは節制をすれば、なんとかやっていけるだろう
という密かな自信めいたものができました。
少しずつマガジン発行の頻度も上げたいものです。発行を始めてから
一年半になんなんとするのにまだ35号。「い」の半ばです。
すべて終わるのが400号にしても年間20号程度しか発行できないの
では、はるかな雲のかなたのことです。少しでも出せるように努力
します。「西行の京師 第二部」が終了したら、これ一本に集中
したいと思います。
現在、京都博物館で国宝の一品経和歌懐紙は展示中です。
http://www.kyohaku.go.jp/jp/tenji/index.html
マガジンがブログ化できるそうですので、画像を出して画像と併用
できるなら、なお詳しくご説明が可能だろうか・・・などと思案
しています。
もうヤマザクラは開花しています。
これからしばらくは西行のいう「浮かれた」状態に私もなるので
しょう。そんなに長い年数は桜とも逢えなくなりますので、年毎に
「浮かれる」気持ちが強くなりつつあります。
36号 2007年04月08日発行
吉野山梢の花を見し日より心は身にも添わずなりにき
(岩波文庫山家集30ページ)
花盛りです。繚乱のただなかです。
吉野山の桜ではなくても、この一春を咲き誇っている近くのソメイ
ヨシノを見ても「心は身にも添わずなりにき」という感覚を味わい
ます。桜の花に酩酊します。気持が自然に浮かれます。
大仰な言い方になるかとも思いますが、この春の花盛りを見て、誰
にともなく感謝したいような思いも持ちます。
でももうソメイヨシノは散り始めています。
まさに一瞬の繚乱、一睡の夢です。
まだしばらくは他の種類の桜が楽しませてくれるとはいえ、また
来年にお会いしましよう・・・という惜別の思いを持ちます。
マガジン発行のスピードが落ちています。どうにもうまく行きま
せん。でも熱意そのものは減退していませんから、なんとかうま
く行くように頑張ってみます。
37号 2007年04月30日発行
本日で四月も終わり。明日から五月。5月6日は立夏です。
いつも思うことですし、言っていることですが、過ぎてしまえば
早いものです。まったく、なんという早さでしょう。
昨日からゴールデンウィークらしいですが、自営の私はカレンダー
とは同調しない生活ですから、まったく関係は無いと言えます。
それでも昨日は仕事をさぼって東寺と城南宮を自転車で巡ってみま
した。東寺は3年ぶりくらいになるのか、それともそれ以上になる
のかよくわかりません。3年ほど前の冬の弘法さん(毎月21日)に
行ったような・・・。あまり印象的な出来事がなかったのか、記憶
もあいまいになっています。
東寺の後に城南宮に行きました。むろん曲水の宴が目当てです。
今年からなのか「白拍子の舞」もあって、若い(多分)女性の独演
でした。囲み柵の外側、人々の後からという遠くからの見物です
から、よく分からなかったというのが本当ですが熱演のように思い
ました。
この時の画像を私のページのヤフーアルバムに出しておきました。
興味のある方はご覧願います。
38号 2007年05月11日発行
五月陽春。いい季節です。とはいえ、暦の上では立夏も過ぎて
います。
暖冬の極みだったというのに、年初の冬は寒さにやられて体調が
良くはなかったのですが、寒いよりは暑いほうが身体にはいいで
しょう。年毎に暑さ寒さに対しての耐性が乏しくなっていることを
いやでも自覚します。
今月は、さぼりまくりの感じです。今となっては連休も何をして
いたのか覚えていないほどです。いつの間にか日々は過ぎています。
13日は松尾大社の還幸祭と嵐山での三舟祭があるので自転車を走ら
せて行ってみようかと思っています。
また、15日は葵祭り。見るほどのことも無いとは思うのですが、
数十年ぶりに見ておこうかと思っています。
他にも予定があって、結局、今月は(さぼり月)となりそうです。
39号 2007年05月20日発行
散見していた鯉幟もすでに見ることもなくなりました。
ツツジの花も散り敷き、新緑は日ごとにその色彩を強めています。
晩春というよりは初夏の陽気の日々。
京都の三大祭の一つである葵祭りもすでに終りました。
来月の入梅までには少し間がありますが、一ヶ月程度の梅雨が明け
れば、祇園祭です。
京都の暑い夏が始まります。
季節は緩慢に、しかし勝実に移ろい行きます。
移ろい行く季節の醸し出す情趣を楽しみながら、過ごしたいもの
と思います。
次号は西行の京師第22号を発行してから取り掛かります。
40号 2007年06月20日発行
最近、花の画像ばかりを撮影している気がします。
特に植物園や花の名所などに出かけて行って撮影するのではなくて、
近くのスーパーで食材の調達がてら、花がありそうなところを歩い
て、眼についたものを撮影する程度です。
眼についた花とはいえ、存じ上げないお宅の庭に植えられている花
などは当然に撮影しません。いや、それは必ずしも正しくはなくて、
道路からすぐの位置にあるもの、たとえばフェンスに絡まっている
花などは、許可を得ずにこっそりと撮影することもあります。なか
には公共の道路にたくさんの植木鉢を出しておられるお宅もあり
ます。そういうのは遠慮なく撮影させていただいています。
私は良い撮影機材を持ってはいないのですが、うまく撮影できた
ときは、やはりうれしいものです。
私はこれまで花にはとても疎いものでしたから朝日新聞社刊行の
「草木花歳時記」という本も買い込みました。四季別の四巻があり
ます。夏の巻のみはもう7年ほど前に買っていました。
全巻揃うと西行の歌に出て来る植物についてもたいていは分かり
ます。いい資料になりそうです。
今後は植物についてのレポートも少しはできそうです。
今号記載の法金剛院。蓮の寺として有名です。蓮の咲く頃に何度か
訪ねていますが、また行こうかと思っています。
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