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西行辞典「後記」特集
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41号 2007年06月25日発行
梅雨の季節らしく昨日から雨が降り続いています。じめじめとする
のは不快ですが、しかしこの季節もまた欠かせないこと。
新聞報道によると、四国では今後の水不足が懸念されていました。
琵琶湖でも水位低下が報じられていました。この2日間の雨で、
少しは水位が上昇するでしょうか。
水害が起こるほどの豪雨は困りますが、やはり適度な降雨がないと
農家の方もとても困ります。稲の不作となって米の販売価格が高く
なるようでしたら、一般の消費者にも影響が出てくることになり
ます。
満開のアジサイが雨滴を浴びて瑞々しく感じられます。アジサイは
やはりこの季節に似合う花ですね。
ところがこの大輪の花も夜中のうちに切り取られていることもしば
しばあります。もちろん花泥棒の仕業です。植栽している隣の方も
怒ってはいますが、どうにもならないでしょうね。非常識な方は
たくさんいるものです。
先号40号に校正ミスがありました。
「上西門院にて」の項と「後記」に「宝金剛院」とあります。
「法金剛院」が正確です。「宝」は「法」です。お詫びして訂正
します。
それにしてもなぜこんな単純なミスをするのか・・・。校正おそる
べし、というよりも、注意力が散漫になっているのでしょう。
これも困ったことに違いありません。
42号 2007年06月30日発行
本日で一年の半分が過ぎたことになります。いつも思いますが、
過ぎてみれば早いものです。
本日は旧暦の五月十六日。望月です。
同時に夏越の祓いの日ですね。新暦移行前と違って今は新暦になって
行われる行事ですが、この日に行われる夏越の祓いは神社にとっては
重要な神事のひとつです。
これまでの間に積もった穢れを禊し、そして無病息災を願って茅の輪
くぐりなどをする神社も多いものです。
息災にこの夏、この年もすごしたいものです。
来月2日は半夏生、7日は小暑、七夕、17日が京都八坂神社の祇園祭
です。
清き瀬に夏越の祓へしつるより八百万代は神のまにまに
(和泉式部 和泉式部集)
梅雨明けはまだですが暑いですね。連日30度を越えている感じ
です。午前2時頃でも部屋の中は30度を越えている時があります。
冷房は好きではないので扇風機だけ使用していますが、さすがに
頭の中まで茹蛸になりそうです。
梅雨明けまでの間に豪雨に見舞われるはずです。ひどい災害が起き
ないようにと願うばかりです。
43号 2007年07月29日発行
暑中のお見舞いを申し上げます。
梅雨明け以来炎熱の日々が続いています。梅雨の期間中とは違って
一挙に容赦の無い暑さがいやおうもなく身体を押し包んでくる感じ
です。
今回の発行は参議院議員選挙の日と重なってしまいました。
みなさんは投票されたことと思います。
私がここで自分の政治的信条を明白にするのは不穏当すぎますから、
発言は慎みますが、選挙のたびごとに日本の現状が少しでも良いと
思える方向に行くことを願わざるをえません。
昨日、久しぶりに京都市植物園に足を運びました。一年八ヵ月ぶり
くらいでした。
ヒマワリやアサガオなどの夏の花が盛りでしたが目当てにしていた
サギソウにはついに出会えずじまいでした。サギソウの花期は8月
から9月頃にかけてということですから、来月後半にでも、もう一度
行こうかと思っています。
44号 2007年08月05日発行
前号発行から一週間の間に、台風5号の襲来により天気は数日間
崩れていましたが、今はまた夏、真っ盛り。
厳しい暑さです。おかげで頭の中はぐちゃぐちゃの液状化みたいな
ものです。
参院選で大敗を喫した自民党の方たち、思わぬ落選をした人たちは
無理やりに冷気を浴びさせられた感じで、血の気が引いて、いまだ
に青ざめた状態が続いたままなのでしょう。暑さを暑さとして知覚
できない状況なのかもしれません。こちらの方々も憤慨やら、失望
やら悲しさやらで、頭の中はぐちゃぐちゃなのでしょう。
あえてご同情はいたしません。
8日は早くも立秋。13日からは月遅れの盆の迎え火、16日は大文字の
送り火と月遅れ盆の送り火。盆も過ぎればいよいよ秋という感じで
すが、それから一ヶ月ほどは厳しい残暑の日々が続きます。
次号45号をなんとか盆前に発行してから盆休み入り、14日から恒例
の生地四国に帰省という予定になっています。
45号 2007年08月10日発行
残暑お見舞い申し上げます。
秋きぬと目にはさやかに見えねども 風の音にぞおどろかれぬる
(藤原敏行 古今集169番)
秋たつと人は告げねど知られけり山のすそ野の風の景色に
(岩波文庫山家集55P秋歌・新潮255番・
西行上人集追而加書・西行物語)
両首ともに今頃の季節の歌です。ところが歌に込められた情趣など
は感じられないほどの厳しい暑さが続いています。
試みに温度計を2個直射日光にさらして放置しておきました。1個は
40度まで、別のは50度まで計れるのですが、たちまちのうちに40度
を超え、50度も超えてしまいました。直射日光でしたからこんなに
高い温度になったものですが、それにしても唖然とせざるをえない
暑さです。
吹いて行く微風にかすかな秋の気配が感じられるのは、もう少し
待たなくてはなりませんね。
次号46号は「西行の京師」24号を発行してからになります。
46号 2007年09月20日発行
9月20日、本日から彼岸の入りです。彼岸明けは26日。23日は秋分
の日です。
「暑さ寒さも彼岸まで」とは良く言ったもので、ひところの狂気
じみた暑さは随分と和らぎました。それでも日中の気温は30度を
越えますので残暑はまだまだ厳しいですね。
季節の変わり目には暑さの影響が出てくるものですから、みなさん、
ご自愛を願いあげます。
久しぶりに万葉集を紐解いて、有馬皇子の歌を読んでみました。
有馬皇子の歌は万葉集に二首あります。もう一首も記します。
家にあれば笥に盛る飯を草枕旅にしあれば椎の葉に盛る
(有馬皇子 万葉集巻二142番)
笥は(け)、飯は(いい)と読みます。
普通の羇旅歌にはない味わいを持っているようにも思います。
いずれにしても有馬皇子の惨劇は歴史の必然のなせることなのかも
知れません。皇権を巡っての、これから平安初期までの時代は、
決してロマンなどではありえない、非常に酸鼻なものになります。
47号 2007年09月25日発行
本日25日は十五夜。中秋の名月の日です。ただし月齢は13.6であり、
満月は27日になります。旧暦8月15日なのに満月にならないという
のは月の運行と暦との整合性が原因ですね。
子供の頃は貧しい時代であったにも関わらず、果物や菓子をお供え
して月見をした記憶があります。多くの家庭でもしていたもので
しょう。子供心にも何かしらの気持の弾みがあったのではないかと
思います。
明るく輝くまん丸の形状の月を見ていると、今年還暦を迎える私
でも神秘的なものを感じて引き込まれる思いさえします。さまざま
な感慨が走馬灯のように過ぎ行きます。思うことと言えばもうすで
に未来に対しての希望ではなくて、懐旧の感情が占めるのは致し方
ないのですが、それが残念でもあります。
なげてとて月やはものを思はするかこち顔なる我が涙かな
(岩波文庫山家集149P恋歌・新潮628番・西行上人集・
山家心中集・千載集・御裳濯歌合・百人一首86番)
天気が良ければ大覚寺か広沢の池まで行って月の写真を撮影する
つもりでいます。
48号 2007年09月30日発行
本日で9月も終わり。明日から10月。いよいよ秋に突入の感があり
ますね。異常に暑かったこの年の夏も、もうすでに過去のものとも
言えます。一週間ほど前には日中の気温が35度はあったのに、曇り
空、雨もよいの本日は20度を少し回っている程度です。涼しいと
いうよりは寒いと感じます。
季節の代わり目、夏のお疲れが出ませんようにと願いあげます。
先日、久しぶりに梨木神社の萩を見たくなって行ってきました。
盛りを過ぎたのもあり、盛りの枝もあり、これからの枝もあり、
というものでしたが、萩という花は派手やかな種類の植物とは違い
ますので、あんまり自己主張せずにひっそりとたたずんでいると
いう印象を受けます。
萩と言えば「高台寺萩の花」の条が「都名所図会」にあります。
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「西行法師、宮城野の萩を慈鎮に奉りし、その萩いまに残り侍りし
を草庵にうつしうゑ侍りしを、花の頃、その国の人きたり侍りしに
露けさややどもみやぎ野萩の花 宗祇
小萩ちれますほの小貝こさかづき はせを
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この萩が青蓮院に植えられているとかいうことを新聞で見た記憶が
あります。今年はもう無理ですが来年にでも行ってみたいものです。
次号の発行は「西行の京師」第二部25号を出してからとなります。
49号 2007年10月31日発行
本日で神無月も終り。神は出雲までの出張期間が終わって帰って
くるのかどうか知りませんが、ともあれ明日からは霜月。
暑い暑いと言っていたのはつい先日のことのようにも思え、また、
もうすでに昔のことだと思える感覚もあります。
先日、単行本を100冊ほど処分しました。保管していてももう読む
ことはありえないですし、思い切って近くのカルチャセンターの
会議室にプレゼントしました。
古本屋に売るということも考えたのですが、近くの方々が活用して
くれるならそれでいいかも・・・です。
主に小説です。妹に送ったり、チリ紙交換に出したりと、これまで
にも大量に処分してきたので、小説はもう少ししか残っていません。
今、手元にあるのは資料として活用できる本が主体です。
今後、読むのは資料として価値のあるものしか読まないと思います。
読まないというよりは読めないというのが実情です。物を見る眼の
力そのものも衰えてきていますので、その意味でも小説はあまり
読めないでしょう。そのことに寂しさみたいな感情も味わっては
います。
どういうわけか最近少しずつ歌を詠んでいます。詠歌はまだまだ
一年生ですから納得のいくものができません。続けて詠めるのか
どうかもわかりません。
良いのが詠めれば、そのうちにホームページで披露しょうかとも
思っています。
50号 2007年11月04日発行
今号から「う」の項に入ります。これまでに2年3ヶ月ほどを費やし
て、やっと50号まできました。すべて終えるのは300号から400号に
なりそうですから、まだまだ緒についたばかりと言えます。
きつい作業ではありますが、なんとか続けていく予定です。
仕事が暇なこともあって、この秋には禅宗寺院の龍の天井画を公開
している所は見て回りたいと思っています。
京都に長く住んでいながら、これまでに見たのは妙心寺の狩野探幽
の「八方にらみの龍」と、天竜寺の加山又造画伯の「雲龍図」のニ
箇所のみです。両図ともに圧倒的な迫力があります。
皆さんも機会を作られて、ぜひ見て欲しいものです。
風邪がまだ抜けやらず、連日チイッシュの山を築いています。もう
三週間以上になります。困ったことです。
これから寒さに向かいます。ご自愛をと願います。
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