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  西行辞典「後記」特集
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51号   2007年11月27日発行

今号発行は予定より少し遅くなりました。
今号の「憂し」「浮く」を語幹とする言葉はいろいろな形に変化して
いて、そのすべてをお伝えすることは大変なことだと思いました。
うまく説明できていないだろうと思います。
「その他」については詳述するには紙幅も取ることですし、割愛しま
した。後2回、「憂し」「浮く」について触れてみます。

さて紅葉のシーズンです。今頃がまさにピークでしょう。
15日に清滝から嵯峨野あたり、17日に哲学の道から金戒光明寺・
真如堂と回ってみたのですが、まだまだという感じでした。
来月に入って2日に再度、銀閣寺から哲学の道沿いを歩いてきます。
きれいに色づいていることを期待しますが、どうでしょうね。
12月5日過ぎには天気の良い日を見計らって、名残の紅葉の撮影に
一日を費やそうと思っています。

今年もあと一ケ月有余。寒くもなってきました。
来月に入れば正月も目前。気ぜわしくもなります。
次回52号の発行は「西行の京師」26号を発行してからとなります。
できれば年内の発行を目指したいと思っています。

52号     2008年01月06日発行

新年明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
このマガジンの創刊は2005年8月でしたから、今年の夏に3年目に
突入です。まだまだ緒についたばかりと言えます。

新年から「憂き」でもないのですが、これもまためぐり合わせです。
ご了承お願いします。
今号は歌数が多いので「うき」のみとしました。
「うさ」「うし」「憂き世」「憂かる」「あなうのよ」などを合計
すると「憂き」関連歌は100首ほどにもなりそうです。これは予想外
に多い数字です。いかにも西行らしいともいえそうです。

いや西行らしいというよりも当時の時代性を抜きにしては考えられ
無いことです。当時の時代性が西行にこれだけ多くの「憂き」歌を
詠ませた主因と言ってもいいでしょう。

現代という時代に西行を置いて見た時、やはり時代性の中で自身の
人生を楽しむであろうと思いたいものです。目まぐるしく変貌する
現代にあって、様々なことを知ろうとする能動的な姿勢があると
するなら、「憂き世」とか「憂き」などと言ってはおられないので
はなかろうか・・・と思ったりもします。
そういう想像も楽しいものです。 

53号     2008年01月17日発行

本日は1月17日。この数日、寒い日が続いています。本日は雪が
ちらほらと舞っていました。
旧暦では12月8日。節季は小寒。4日後の21日に大寒。立春は2月4日。
旧暦元日は2月7日。
寒い寒いと言っても、春に咲く花の蕾も発見できたりして、月日の
巡りを自然の風物が教えてくれます。

本日はまた阪神大震災から13年目の日です。あの驚愕の日からもう
13年になるのかと思うと、あらためてその速さに驚きます。
この13年の間に私はいったい何をしてきたのか・・・自身に得心で
きるだけの成果のない13年だったようにも思います。
月内に54号の発行をと思っています。

54号     2008年01月27日発行

寒い日が続いています。連日、最高気温は5度程度です。
大寒の中日とあれば、こんなものでしょう。
若い時代のように、寒さは寒さとして身体も気持も楽しもうと
欲する年代からは遠く隔たってきたことを自覚します。
大昔、中学を卒業して、京都府の長岡町井の内にあった個人住宅に
住み込んだ年の翌年の真冬、薄い布団の中で就寝している私は
京の底冷えの強さに何度か目を覚ましたものでした。
現在は底冷えもそれほどきついものではないはずですし、それに
寝具や暖房器具もあって、寒さのために目を覚ますことは絶えて
ありません。

暦の上では2月4日に立春です。とはいえ、まだまだ寒さ厳しい
日々が続きます。ご自愛願いあげます。

55号     2008年02月28日発行

 たけのぼる朝日の影のさすままに都の雪は消えみ消えずみ
      (岩波文庫山家集98P冬歌・新潮527番・西行上人集・
         西行上人集追而加書・山家心中集・夫木抄)

先日の24日、雪の積もっている日曜日に東山に出てみました。
新装なった八坂神社の西楼門をくぐって円山公園を過ぎ、除夜の鐘
で有名な知恩院の大鐘を見て吉水草庵。雪をいただいた西行庵も
通りすがりに見て、清水寺、安井金比羅宮、建仁寺と回ってきま
した。
霊山観音の前から見る京都市街は、西行の歌にあるように「消えみ
消えずみ」でした。ただし現在は建物の屋根の雪ということに
なります。
建仁寺では国宝の「風神雷神図屏風」があります。俵屋宗達筆の
国宝で中学の美術などの教科書にも出ていたと思います。
展示品は複製画ですから間近で見ることができます。やはり迫力が
あります。
法堂の天井画「双龍図」は2002年、小泉淳作画伯の手によるもの。
こちらも一見の価値はあります。禅宗寺院は龍を神聖視するようで、
いくつかのお寺の天井に描かれています。私は他に天竜寺と妙心寺
しか見ていませんので、そのうちに他のお寺もと思っています。
皆さんにも是非にとお勧めいたします。

56号     2008年03月02日発行

季節は移ろい行き3月となりました。明日の3日は桃の節句。雛の
節句ともいい、ひな祭りの日ですね。多くのお宅では現在でも
お雛様を飾っているのでしょう。
ああいう伝統的な行事も近年は廃れていくばかりでは無いかと思い
ます。なんとか残して欲しいものですが、一般のご家庭ではなかなか
難しい面もあるのでしょう。しかし時代の趨勢ということでで片付け
てしまうのも惜しい気もします。

先日、城南宮まで自転車を走らせました。有名な枝垂れ梅を見た
かったのですが紅白ともにまだまだでした。普通の梅は満開に
近かったのですが、城南宮の梅は本数が多くはありません。
梅の名所の北野天満宮には10日ほど前に行きましたし、もう今年の
梅はいいかなーとも思っています。

今号掲載の「浅間」が記録洩れのため、書き加えておきました。
他に抜けているものもあるかもしれません。明らかに抜けている
ことがあるということに、お気づきの方はお知らせ願います。
 
57号       2008年03月05日発行

三月に入って少しずつ暖かくなっている感じです。近くの桃も梅も
満開です。満開のそれらを楽しんでいます。
そういえば本日は啓蟄です。季節は緩慢ではあっても確実に移ろい
行きます。しかし、本日、九州地方には大雪の可能性も報じられて
いますので、いつもの年のように寒暖は行きつ戻りつしながら、
いつの間にか桜の時節になるのでしょう。

三寒四温という言葉の原意は3日寒くて4日連続して暖かい日がある
ということであり、中国北方の言葉ということです。ですから、
日本の気候風土とは明らかに違いますし、本当は日本では使えない
言葉なのですが、日本風にアレンジされたのか、公共の電波などにも
乗ります。それはそれで良いのでしょう。
恥ずかしげもなく「三寒四温」などとよく言いますね・・・という
感想も持ちはしますが、私自身がたくさんの誤謬を犯すものですから
取り立てて反論などしょうとも思いません。
なかなか難しいものですね。

そんな瑣末なことには関わらないで、この春の桜を見ることに楽し
みを見つけたいと思います。
桜の満開の頃の吉野に行く予定です。今からとても楽しみにして
います。

58号       2008年05月07日発行

五月陽春。良い季節です。
今年のゴールデンウイークも昨日で終わった方も多いのではないか
と思います。
私の場合は暦とは関係ない生活をしている自営業者ですから、今月
は四日のみ終日オフにして、近場の竹林公園から洛西ニュータウン
を経巡りました。
五月に入っているというのにまだ咲き残っているヤマザクラや八重
桜があって驚きました。八重桜は五割方残っている木もあって、
思わぬ花見ができました。
とはいえ、すっかり新緑の季節です。柔らかい緑の瑞々しさが、
眼を楽しませてくれます。
15日は加茂社の葵祭り。気が向けば出かけてみようかとも思って
います。

59号     2008年5月12日発行

2005年8月の発行以来、すでに2年9か月も過ぎているのに、まだ
「う」の項です。うううー、と絶句します。進みが極端に悪いこと
に意気消沈します。仕方ないとも言えますね。
辞典と名付ける限りは細大漏らさず、西行に関係あることは全て
網羅したいと思いますし、そうであれば時間がかかることは当然です。
完成までに10年かかるのか20年になるのか神のみぞ知るでしょうか。
体調が許せば執念で続けますが、はてさて・・・ということです。

植物のマクロ撮影が最近の趣味とも言えますが、西行辞典のこと
を考えると「おいおい、そんな遊びをしている時間はないよー」
という内なる声も聞えてきます。
まあ、あんまり自分を追い込まずに、自然体で続けていきます。
よろしくお願いいたします。

60号    2008年5月17日発行

このところ天候不順の日々が続いていたように思いますが、一転
して気温はぐんぐん上昇し真夏日を思わせる昨日今日です。
入梅もあと一ヶ月とないのですが、今から今年の夏の暑さが思い
やられます。
冬は寒い、夏は暑いと決まっていて、それはそれでいいのですが、
年を重ねるごとに暑さ寒さが厳しいものとして感じられます。

15日、なんとか時間を作って下鴨社に行ってみました。
葵祭りを見るためです。すでに社頭の儀も終っていて舞楽の
「東遊」も見られなかったのですが、下鴨本通を上賀茂社に向かう
「路頭の儀」は少しだけ見物しました。
夕方には人と会う予定もあって、上賀茂社までは行かずに帰宅した
のですが、久しぶりに王朝絵巻を見た思いがします。