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山家集索引
 

あ〜お か〜こ さ〜そ た〜と な〜の は〜ほ ま〜も や〜わ

「な」

145 恋 613
長月のあまりにつらき心にていむとは人のいふにやあるらむ

225 神 1526 
長月の力あはせに勝ちにけりわがかたをかをつよく頼みて

250 聞193 
なかなかにうき草しける夏のいけは月すまねどもかげぞすずしき

153 恋 688
なかなかに思ひしるてふ言の葉はとはぬに過ぎてうらめしきかな

23 春 53
なかなかに風のおすにぞ乱れける雨にぬれたる青柳のいと

81 秋 370 上人 心中
なかなかにくもると見えてはるる夜の月は光のそふ心地する

78 秋 309 上人 心中
なかなかに心つくすもくるしきにくもらば入りね秋の夜の月

156 恋 1245 上人
なかなかにしのぶけしきやしるからむかかる思ひに習なき身は

112 羇 1365 上人 心中
なかなかに谷の細道うづめ雪ありとて人の通ふべきかは

80 秋 361 夫木
なかなかにときどき雲のかかるこそ月をもてなす限なりけれ

210 哀 837 (寂然法師歌) 
中々にとはぬは深きかたもあらむ心浅くも恨みつるかな

153 恋 681 
なかなかになるるつらさにくらぶればうとき恨はみさをなりけり

152 恋 665 上人 心中 宮河
なかなかになれぬ思ひのままならば恨ばかりや身につもらまし

143 恋 581
なかなかに夢に嬉しきあふことはうつつに物をおもふなりけり

26 春 100 
ながむてふ数に入るべき身なりせば君が宿にて春は経なまし

36 春 120 上人 心中 新古今 御裳濯 自讃歌 物語(広)
ながむとて花にもいたく馴れぬれば散る別こそ悲しかりけれ

235 聞59 夫木
ながむながむ散りなむことを君もおもへ黒髪山に花さきにけり

150 恋 648 新後撰 万代
詠むるになぐさむことはなけれども月を友にてあかす頃かな

132 羇 97 上人追加 玉葉 
ながむるに花の名だての身ならずばこのもとにてや春を暮らさむ

80 秋 355 上人 心中
ながむるもまことしからぬ心地してよにあまりたる月の影かな

81 秋 367 万代
ながむればいなや心の苦しきにいたくなすみそ秋の夜の月

63 秋 464 
ながむれば袖にも露ぞこぼれける外面の小田の秋の夕暮

80 秋 352 上人 心中
ながむれば外のかげこそゆかしけれ変らじものを秋の夜の月

110 羇 1412 
詠めきて月いかばかりしのばれむ此の世し雲の外になりなば

161 恋 1314 上人 万代
ながめこそうき身のくせとなり果てて夕暮ならぬ折もわかれぬ

83 秋 ○ 上人 
ながめつつ月にこころぞ老いにける今いくたびか世をもすさめむ

35 春 1460
ながめつるあしたの雨の庭の面に花の雪しく春の夕暮

110 羇 1406
詠めをりて月の影にぞ夜をば見るすむもすまぬもさなりけりとは

275 補 宮河
ながらへて誰かはつひにすみとげむ月隱れにしうき世なりけり

182 雑 1232
ながらへてつひに住むべき都かは此世はよしやとてもかくても

159 恋 1288
ながらへて人のまことを見るべきに恋に命のたたむものかは

191 雑 718
ながらへむと思ふ心ぞつゆもなきいとふにだにも足らぬうき身は

岩波欠 雑 1141
ながれ出づる涙に今日は沈むとも浮かばん末をなほ思はなん

279 補 宮河 夫木
ながれいでて御跡たれますみづ垣は宮川よりのわたらひのしめ

243 聞122 夫木
流れてはいづれの瀬にかとまるべきなみだをわくるふた川の水

279 補 上人 御裳濯河 玄玉
流れたえぬ波にや世をばをさむらむ神風すずしみもすその岸

195 雑 1425
ながれみし岸の木立もあせはてて松のみこそは昔なるらめ

250 聞190 上人追加 夫木
流れやらでつたのほそ江にまく水は舟をぞむやうさみだれのころ

208 哀 817 上人追加 玉葉
流れゆく水に玉なすうたかたのあはれあだなる此世なりけり

45 夏 1463
なかん声や散りぬる花の名残なるやがて待たるる時鳥かな

211 哀 ○ ▲ 上人追加 新古今 物語
なき跡の面影をのみ身にそへてさこそは人の戀しかるらめ

241 聞113 ▲ 上人追加 新古今 物語  
なきあとの面影をのみ身にそへてさこそは人のこひしかるらめ

257 聞230
亡き跡のおもきかたみにわかちおきし名残のすゑを又つたへけり

207 哀 813
なき跡も今日までは猶名残あるを明日や別を添へて忍ばむ

204 哀 新潮欠 
なき跡をそとばかりみて帰るらむ人の心を思ひこそやれ


212 哀 848 
なき跡を誰としらねど鳥部山おのおのすごき塚の夕ぐれ

240 聞109
なきあとを誰とふべしと思ひてか人のこころのかはりゆくらむ

156 恋 1242
なき名こそしかまの市に立ちにけれまだあひ初めぬ恋するものを

186 雑 ○ 上人
なき人のかたみにたてし寺に入りて跡ありけりと見て帰りぬる

192 雑 760 上人追加 続後拾遺
なき人もあるを思ふに世の中はねぶりのうちの夢とこそ知れ

19 春 771 
なき人を霞める空にまがふるは道をへだつる心なるべし

282 補 上人 宮河
なき人をかぞふる秋の夜もすがらしをるる袖や鳥辺野の露

210 哀 841 風雅
なき人を忍ぶ思ひのなぐさまば跡をも千たびとひこそはせめ

161 恋 1312 
なげかじとつつみし頃は涙だに打ちまかせたる心地やはせし

162 恋 1330
なげかるる心のうちのくるしさを人の知らばや君にかたらむ

157 恋 1252 
嘆きあまり筆のすさびにつくせども思ふばかりはかかれざりけり

260 聞253 
なげきよりしづる涙のつゆけきにかこめにものを思はずもがな

151 恋 657
嘆くともしらばや人のおのづから哀と思ふこともあるべき

149 恋 628 上人 心中 御裳濯河 千載 百人一首
なげけとて月やはものを思はするかこち顏なる我が涙かな

225 神 1524 
名残いかにかへすがへすも惜しからむ其駒にたつ神楽どねりは

69 秋 426 
名残多みむつごとつきで歸り行く人をば霧も立ちへだてけり

209 哀 825
名残りさへ程なく過ぎばかなしきに七日の数を重ねずもがな

194 雑 713 上人 新古今 物語
なさけありし昔のみ猶しのばれてながらへまうき世にもあるかな

161 恋 1317 
なぞもかくことあたらしく人のとふ我が物思はふりにしものを

162 恋 1322
なつかしき君が心の色をいかで露もちらさで袖につつまむ

154 恋 703 上人 心中
夏草のしげりのみ行く思ひかな待たるる秋のあはれ知られて

228 聞11 夫木
夏草の一葉にすがるしら露も花のうへにはたまらざりけり

53 夏 241 
夏の夜の月みることやなかるらむかやり火たつる賤の伏屋は

51 夏 240 万代
夏の夜はしのの小竹のふし近みそよや程なく明くるなりけり

51 夏 245
なつの夜も小笹が原に霜ぞおく月の光のさえしわたれば

228 聞16 夫木
夏山の木蔭だにこそすずしきを岩のたたみのさとりいかにぞ

274 補 夫木
夏山のゆふ下風のいつのまに音吹きかへて秋の来ぬらむ

54 夏 233 上人 心中 夫木
夏山の夕下風のすずしさにならの木かげのたたまうきかな

52 夏 ○ 上人
撫子のませにぞはへるあこだ瓜おなじつらなる名を慕ひつつ

153 恋 689 上人 万代 
などかわれことの外なる嘆せでみさをなる身に生れざりけむ

161 恋 1309 
などか我つらき人ゆゑ物を思ふ契をしもは結び置きけむ

130 羇 1130 夫木
なとり川きしの紅葉のうつる影は同じ錦を底にさへ敷く

242 聞115 上人
ななくさに芹ありけりとみるからにぬれけむ袖のつまれぬるかな

276 補 上人
名におひて紅葉の色の深き山を心にそむる秋にもあるかな

85 秋 1479 
何事か此世にへたる思ひ出を問へかし人に月ををしへむ

164 恋 1349 上人
何ごとにつけてか世をば厭はましうかりし人ぞ今はうれしき

187 雑 729 上人 心中 宮河 新古今 物語
何ごとにとまる心のありければ更にしも又世のいとはしき

80 秋 350 上人 心中 続拾遺
何事もかはりのみ行く世の中におなじかげにてすめる月かな

195 雑 715 万代
何ごとも昔をきけばなさけありて故あるさまにしのばるる哉

219 釈 894 上人
何ごとも空しき法の心にて罪ある身とはつゆも思はず

62 秋 291 上人追加 心中 続後撰 言葉
何ごとをいかに思ふとなけれども袂かわかぬ秋の夕ぐれ

152 恋 666
何せんにつれなかりしを恨みけむあはずばかかる思ひせましや

33 春 153 上人 心中 新後撰
なにとかくあだなる花の色をしも心にふかく染めはじめけむ

62 春 305 上人 心中 宮河 御裳濯 閑月
何とかく心をさへはつくすらむ我がなげきにて暮るる秋かは

31 春 79
何とかや世にありがたき名をしたる花に櫻にまさりしもせじ

152 恋 673
なにとこはかずまへられぬ身の程に人を恨むる心ありけむ

133 羇 1083 上人 物語 (藤原成通歌)
何となく落つる木葉も吹く風に散り行くかたは知られやはせぬ


24 春 46 上人 心中
何となくおぼつかなきは天の原かすみに消えて帰る雁がね

99 冬 538 万代
何となくくるる雫の音までも山辺は雪ぞあはれなりける

170 雑 943 上人 心中
何となく汲むたびにすむ心から岩井の水に影うつしつつ

151 恋 658 上人 新古今 物語
何となくさすがにをしき命かなありへば人や思ひしるとて

69 秋 435 上人 心中
何となく住ままほしくぞおもほゆる鹿のね絶えぬ秋の山里

189 雑 1033 上人 心中
何となくせりと聞くこそあはれなれつみけむ人の心しられて

139 羇 1211 夫木 (寂然法師歌)
何となく露ぞこぼるる秋の田のひた引きならす大原の里

20 春 44 
何となく軒なつかしき梅ゆゑに住みけむ人の心をぞ知る

14 春 1062 上人 心中
何となく春になりぬと聞く日より心にかかるみ吉野の山

108 羇 1135 
何となく都のかたと聞く空はむつまじくてぞながめられぬる

62 秋 292 上人 心中 風雅
なにとなくものがなしくぞ見え渡る鳥羽田の面の秋の夕暮

92 冬 510 新拾遺
難波江の入江の蘆に霜さえて浦風寒きあさぼらけかな

247 聞160 夫木
難波江の岸に磯馴れてはふ松をおとせであらふ月のしら波 

171 雑 1190 夫木
難波潟しほひにむれて出でたたむしらすのさきの小貝ひろひに

73 秋 326 夫木
難波がた月の光にうらさえて波のおもてに氷をぞしく

153 恋 686 上人 心中
難波潟波のみいとど数そひて恨のひまや袖のかわかむ

151 恋 659 上人追加 続古今 万代 言葉(平経盛歌説あり)
何故か今日まで物を思はまし命にかへて逢ふせなりせば


251 聞207 夫木 
なによりは舌ぬく苦こそかなしけれ思ふことをも言はせじの刑

136 羇 749
苗代にせきくだされし天の川とむるも神の心なるべし

39 春 50
苗代の水を霞はたなびきてうちひのうへにかくるなりけり

251 聞208 夫木
なべてなきくろきほむらの苦しみはよるのおもひの報いなるべし

72 秋 325
なべてなき所の名をや惜しむらむ明石はわきて月のさやけき

272 補 御裳濯河 夫木
なべてならぬ四方の山べの花はみな吉野よりこそ種は散りけめ

205 哀 802 上人追加 玉葉
なべてみな君がなさけをとふ数に思ひなされぬことのはもがな

177 雑 740 (作者不明)
なべてみな晴せぬ闇の悲しさを君しるべせよ光見ゆやと


23 雑 161 上人 心中
なほざりに燒き捨てし野のさ蕨は折る人なくてほどろとやなる

152 恋 672 上人 万代
なほざりのなさけは人のあるものをたゆるは常のならひなれども

171 雑 1192 上人 心中 夫木
波あらふ衣のうらの袖貝をみぎはに風のたたみおくかな 

171 雑 1193 上人追加 夫木
なみかくる吹上の浜の簾貝風もぞおろす磯にひろはむ

19 春 13 上人 心中 夫木 物語
波こすとふたみの松の見えつるは梢にかかる霞なりけり

172 雑 1551 夫木1 
波たかき芦やの沖をかへる舟のことなくて世を過ぎんとぞ思ふ

212 哀 849
波高き世をこぎこぎて人はみな舟岡山をとまりにぞする

154 恋 692 万代
涙川さかまくみをの底ふかみみなぎりあへぬ我がこころかな

151 恋 661
涙川ふかく流るるみをならばあさき人目につつまざらまし

54 夏 ○ 夫木
なみたてる川原柳の青みどり凉しくわたる岸の夕風

128 羇 1087
涙のみかきくらさるる旅なれやさやかに見よと月はすめども

149 恋 637
涙ゆゑ隈なき月ぞくもりぬるあまのはらはらねのみなかれて

150 恋 643
涙ゆゑつねはくもれる月なれば流れぬ折ぞ晴間なりける

131 羇 ○ 上人 心中
涙をば衣川にぞ流しつるふるき都をおもひ出でつつ

206 哀 804 上人 心中
涙をやしのばん人は流すべきあはれにみゆる水ぐきの跡

140 羇 1053 
波ちかき磯の松がね枕にてうらがなしきは今宵のみかは

100 冬 1432
波とみゆる雪を分けてぞこぎ渡る木曾のかけはし底もみえねば

279 補 夫木
波とみる花のしづ枝のいはまくら瀧の宮にやおとよどむらむ

275 補 夫木
浪にしく月のひかりを高砂の尾の上のみねのそらよりぞ見る

126 羇 1441 上人追加 夫木
浪にしく紅葉の色をあらふゆゑに錦の嶋といふにやあるらむ

168 雑 998 夫木
浪につきて磯わにいますあら神は塩ふむきねを待つにやあるらむ

76 秋 410 上人追加 夫木
波にやどる月を汀にゆりよせて鏡にかくるすみよしの岸

216 釈 1447 
波のうつ音をつづみにまがふれば入日の影のうちてゆらるる

117 羇 414 上人 心中 玉葉
波のおとを心にかけてあかすかな苫もる月の影を友にて

145 恋 611
波のしくことをも何かわづらはむ君があふべき道と思はば

183 雑 1237 (讃岐の院の女房歌)
波の立つ心の水をしづめつつ咲かん蓮を今は待つかな

36 春 107 上人 心中
波もなく風ををさめし白川の君のをりもや花は散りけむ

280 補 夫木
波もなし伊良胡が崎にこぎいでてわれからつけるわかめかれ海士

171 雑 1196 夫木
なみよするしららの浜のからす貝ひろひやすくもおもほゆるかな

171 雑 1195 上人追加 夫木
波よする竹の泊のすずめ貝うれしき世にもあひにけるかな

231 聞37 
波わけてよする小舟しなかりせばいかりかなはぬなごろならまし

32 春 84
ならひありて風さそふとも山櫻たづぬる我を待ちつけてちれ

167 雑 1401
ならびゐて友をはなれぬこがらめのねぐらにたのむ椎の下枝

46 夏 1449
ならべける心はわれか郭公君まちえたる宵のまくらに

90 秋 1045 上人 心中 御裳濯
なれきにし都もうとくなり果てて悲しさ添ふる秋の暮かな

「に」

187 雑 903
濁りたる心の水のすくなきに何かは月の影やどるべき

82 秋 947
濁るべき岩井の水にあらねども汲まばやどれる月やさわがむ

88 秋 480 夫木
錦はる秋の梢をみせぬかな隔つる霧のやどをつくりて

89 秋 新潮欠 夫木
錦をばいくのへこゆるからびつに收めて秋は行くにかあるらむ


48 夏 205 
西にのみ心ぞかかるあやめ草この世はかりの宿と思へば

232 聞39 
西の池にこころの花をさきだててわすれず法のをしへをぞ待つ

174 雑 854 上人追加 新古今 物語 (堀川局歌)
西へ行くしるべとたのむ月かげの空だのめこそかひなかりけれ

217 釈 872 上人追加 続千載
西へ行く月をやよそに思ふらむ心にいらぬ人のためには

188 雑 869
西を待つ心に藤をかけてこそそのむらさきの雲をおもはめ

74 秋 392 上人 心中
庭さゆる月なりけりなをみなへし霜にあひぬる花と見たれば

39 春 1437 
庭にながす清水の末をせきとめて門田やしなふ頃にもあるかな

195 雑 1424
庭の岩にめたつる人もなからましかどあるさまにたてしおかねば

松屋本山家集
庭の雪に跡つけじとて帰りなば訪はぬ恨を重ぬべき哉

108 羇 1076
庭よりも鷺居る松のこずゑにぞ雪はつもれる夏のよの月

278 補 異本拾玉集
鳰てるやなぎたる朝に見渡せばこぎゆくあとの波だにもなし

233 聞49
匂ひくる梅の香むかふこち風におしてまた出づる舟とももがな

「ぬ」

20 春 38 上人 心中 雲葉 物語
ぬしいかに風渡るとていとふらむよそにうれしき梅の匂を

249 聞177 夫木
ぬなははふ池にしづめるたて石のたてたることもなきみぎはかな

41 春 162
沼水にしげる眞菰のわかれぬを咲き隔てたるかきつばたかな

28 春 103 物語
ぬるともとかげを頼みて思ひけむ人の跡ふむ今日にもあるかな

83 秋 955 
ぬるれども雨もるやどのうれしきは入りこん月を思ふなりけり

「ね」

31 春 77 上人 心中 御裳濯河 新古今 続古今
       長秋詠草 拾玉集 物語
ねがはくは花の下にて春死なんそのきさらぎのもち月の頃

91 冬 492
ねざめする人の心をわびしめてしぐるる音は悲しかりけり

63 秋 293
ねざめつつ長き夜かなといはれ野に幾秋までも我が身へぬらむ

35 春 1462
ねにかへる花をおくりて吉野山夏のさかひに入りて出でぬる

16 春 6
子日してたてたる松に植ゑそへむ千代かさぬべき年のしるしに

16 春 16
子日しに霞たなびく野辺に出でて初うぐひすの声をきくかな

17 春 1185
子日する野辺の我こそぬしなるをごえふなしとて引く人のなき

16 春 15
ねの日する人に霞はさき立ちて小松が原をたなびきにけり

166 雑 976 夫木
ねわたしにしるしの竿や立ちつらむこひのまちつる越の中山

228 聞14 夫木 
ねをはなれつながぬ舟を思ひ知ればのりえむ事ぞ嬉しかるべき

「の」

188 雑 905
のがれなくつひに行くべき道をさは知らではいかがすぐべかりける

194 雑 714
軒ちかき花たちばなに袖しめて昔を忍ぶ涙つつまむ

208 哀 822
後の世をとへと契りし言の葉や忘らるまじき形見なるらむ

31 春 82
のどかなる心をきへに過しつつ花ゆゑにこそ春を待ちしか

188 雑 907
野にたてる枝なき木にもおとりけり後の世しらぬ人の心は

松屋本山家集
野辺ごとに雪をかしらにいただきて若菜を人の摘むにざりける

64 秋 450
野辺になく虫もや物は悲しきとこたへましかば問ひて聞かまし

186 雑 ○ 上人
野べになりてしげきあさぢを分け入れば君が住みける石ずゑの跡

222 釈 1542
野辺の色も春の匂ひもおしなべて心そめたる悟りにぞなる

松屋本山家集
野辺の露草の葉ごとにすがれるは世にある人の命なりけり

218 釈 880
法しらぬ人をぞげにはうしとみる三の車にこころかけねば

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210 哀 837 (寂然法師歌) 
中々にとはぬは深きかたもあらむ心淺くも恨みつるかな

133 羇 1083 上人 物語 (藤原成通歌)
何となく落つる木葉も吹く風に散り行くかたは知られやはせぬ

139 羇 1211 夫木 (寂然法師歌)
何となく露ぞこぼるる秋の田のひた引きならす大原の里
1
51 恋 659 上人追加 続古今 万代 言葉(平経盛歌説あり)
何故か今日まで物を思はまし命にかへて逢ふせなりせば

177 雑 740 (作者不明)
なべてみな晴せぬ闇の悲しさを君しるべせよ光見ゆやと

183 雑 1237 (讃岐の院の女房歌)
波の立つ心の水をしづめつつ咲かん蓮を今は待つかな

174 雑 854 上人追加 新古今 物語 (堀川局歌)
西へ行くしるべとたのむ月かげの空だのめこそかひなかりけれ

151 恋 659 上人追加 続古今 万代 言葉(平経盛歌説あり)
何故か今日まで物を思はまし命にかへて逢ふせなりせば

204 哀 新潮欠 790a 
なき跡をそとばかりみて帰るらむ人の心を思ひこそやれ

89 秋 新潮欠 1007a 夫木
錦をばいくのへこゆるからびつに收めて秋は行くにかあるらむ

岩波欠 雑 1141
ながれ出づる涙に今日は沈むとも浮かばん末をなほ思はなん

                  2008年10月5日入力

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